HIV感染者数統計(香港)
今年第一四半期におけるHIV感染者数と新規AIDS患者数が公表された。香港での新たな感染者数は101人。感染から発症までの年数は人によって大きな幅があるものの、積極的な治療を受けないでいると、およそ半数の感染者がAIDS患者となる。今年第一四半期の新規患者数は19名だ。
ちなみに1984年以来の香港での総感染者数は4544人、AIDS患者は1125人となっている。
新規感染者101人の性別は、男性75人、女性26人。
感染経路としては・・・
20人 異性間性交渉
41人 両性間性交渉
4人 薬物使用
1人 母子感染
35人 感染経路不明
またこれまでに確認された総患者数1125人のうち異性間性交渉が原因となったのは42%である。かつてHIV感染者は男性同性愛者に特殊な病気であると思われていた時代もあるが、今では異性間での感染もほぼ同じ数あるものと考えられている。特殊ではあるが、麻薬の回し打ちも感染経路として重要だ。
1990年代、香港から海路広東省に港から入境する外国人に対し、一定の条件(過去の渡航回数や滞在日数など)以上の該当者に対して無作為に抽出してHIV検査をすると通達が出たことがあった。検査されることよりも、採血されるリスク(注射針の使い回し)を考えて日系企業の中には、出張時に検査されることになったら検査を受けずに、その時点で出張を取りやめるよう社員に指示を出したところもあった。特に中央政府の方針でもなく、また検査自体も、結果を当時の先進国の検査技術水準では考えられない10分以内で出せるとするなど、出てくる結果にも信頼性が極めて疑わしいものであったため、その対応に一時振り回されたものだ。
その後、いつの間にかそのような検査もしなくなってしまった。
(実際に検査していたのかどうかも判らないが…)、当時は中国内のAIDS問題など論じられることは一切なかった。
ところが、2000年ごろからシンセン市や広東省でHIV感染者についての具体的な数が公表されるようになり、ある時は感染の危険性が、ある風俗産業まで具体的に紹介するなど、政府のエイズに対するとらえ方が大きく変化している。かつては自国の恥部ともいえる問題には一切触れることがなかった中国が、これだけ方向転換しているということは、おそらく政府としてその危険性あるいは問題を、危機感を持ってとらえているものと思われる。中国国内でのエイズ問題がそれだけ深刻になっていることのあらわれだろう。おそらく中国国内のHIV感染者数は、検査を受けていない感染者を含めると、相当な数になるのではないだろうか。