中毒情報

日本の厚労省は今月16日に最新食中毒発生状況について公表した。(2010年1月から5月)
http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/04.html

気温が低い時期の食中毒はノロウイルスによるものが圧倒的に多いが、気温が高くなるにつれて細菌性食中毒の割合が増えているのが良くわかる。昨年の統計をみても同じ傾向に変わりはない。

ノロウイルスの最大の感染源は魚介類と言われるがその多くはカキを代表とする二枚貝だ。日本のカキ養殖業者は無菌化処理を行うなど安全性確保に努めてはいるものの、ノロウイルス フリーにすることは難しい。また一旦感染者が現れると、その強い感染力で周囲に感染を拡大する恐れがあることもノロウイルスの特徴だ。下痢便やおう吐物に大量に含まれるウイルスが室内に浮遊するようなことにもなるため、空気感染様の感染拡大を起こすことも稀ではなく、時として多数の感染者を出すことになる。ノロウイルスによる食中毒を予防するには食品を十分加熱するしかない。生カキを食べる場合は、少なくとも体調が悪い時は避けた方が良い。もちろん食品を扱う人は手洗いの励行が必要であることは言うまでもないことだ。感染者の介護に際しては、二次感染に十分注意することが必要で、おう吐物などの処理は必ずゴム手袋の着用が必要だ。

一方、気温の上昇とともに感染者が増える細菌性食中毒は、これからの季節に十分な注意が求められる。なかでも最近注目されているのが、カンピロバクター。動物の消化管内に棲息している細菌で、人には特に鶏肉からの感染が多い。鳥刺しが危険であることは言うまでもないが、親子丼などに使われる鶏肉の不完全加熱でも感染の危険が生じる。余談であるが親子丼は卵の加熱不足が原因となるサルモネラ中毒の危険性が指摘されているメニューだ。

細菌性食中毒予防で重要なのは保存と加熱だ。保存期間が長くなれば細菌は増殖する。冷蔵庫に入れていても過信は禁物。細菌増殖の余地を与えないように、なるべく早く消費(喫食)することが基本だ。ノロウイルスは保存していても増えることはないが細菌は確実に増殖を繰り返す。
また食中毒菌は腐敗菌とは違うので、食品の安全性を臭いで判断することはまったくできない。ノロウイルスを含めて、加熱処理が最も効果的な食中毒予防となるが、黄色ブドウ球菌の毒素のように加熱しても無毒化されないものもある。

食中毒予防三原則を守ることが大切。

1、食中毒菌をつけない
  清潔を保つこと。手洗い。生ものと他の食品が触れないようにする。
2、食中毒菌を増やさない
  食品購入後は迅速に持ち帰り、低温管理する。
  5度以下の低温保存が望ましい。
  加熱された食品であれば65度以上の高温保存。
  喫食までの時間をなるべく短くする。
3、食中毒菌を殺す。
  中心温度75度、1分以上が規準。

どんなに注意していても完全に食中毒の危険性を回避することは不可能だ。調理者の日常の衛生管理が必要であることはもちろん、体調が悪い時に危険だと言われる食品(生かき、生卵、レバーを含む生肉など)には手を出さないことが基本だ。