ノロウイルス流行中

 連日報道されているのでご存知の方も多いと思うが、日本ではノロウイルスの集団感染が各地の高齢者施設でおきている。ウイルス自体は食中毒ウイルスとしても知られているもので、通常は3~4日で回復して予後は良いが、体力がない老人は重症化しやすく、中には今回のような死亡例も報告 されている。乳幼児にとっても重篤な症状を伴うことがあるので十分な注意が必要だ。

 ノロウイルスは決して乳幼児や高齢者にのみに問題となる感染症ではない。カキにあたって激しい腹痛や下痢を経験した人は少なくないと思うが、これも同じウイルスで、冬に流行する食中毒原因ウイルスとして知られている。

 感染は食品からが最も多いと思われるが、ノロウイルスの感染力は非常に強く、感染者(発症者)がいる一般家庭では家族間で感染して、全員で下痢に苦しむということも有り得ることだ。これはトイレの便器にウイルスが大量に付着している可能性があり、乾燥したウイルスが空気中に舞って周囲に感染を広げることもあるからだ。また下痢便に限らず嘔吐物にも大量に
ウイルスが含まれており、嘔吐物の片付けをして感染することもある。昨年は香港の学校で大きな集団感染が起きているが、このような感染経路で患者が増えたものと思われる。

 下痢便や嘔吐物の処理を行った後は、便器や床面を塩素系漂白剤100倍希釈液で十分に拭き取り消毒をすることを勧めたい。もちろん嘔吐物の処理にはゴム手袋を使用することを忘れてはならない。乳児のオムツの交換にも注意したい。
 なおエタノール(アルコール)や逆性石鹸はあまり有効ではない。

 通常は外出後、食前、あるいは調理前の手洗いの励行が感染予防に効果的だ。
 生カキは食べないほうがよい。日本のある保健所では、管内の飲食店に対して生カキを出さないように指導していると聞く。完全に安心して食べられる生カキは、極めて限られた産地のものでしかない。日本のカキは無菌処理されているものが増えているものの、海外のものは処理されていない。さらに日本のものでも、カキがおいしい寒い季節にはその活動が低下するため、無菌処理してもカキ体内の浄化が進み難いともいう。体調が悪いときにはカキの生食は避けるべきだろう。

ノロウイルス食中毒の予防に関するQ&A
http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/kanren/yobou/040204-1.html