発熱への対処

先のメディポート医療情報でも書きましたが、インフルエンザの流行が本格化しています。今年の流行株は昨年に引き続きH1N1型新型インフルエンザです。いつまで新型と呼ぶのか判りませんが、そのうちアジア風邪や香港風邪のように名前が付けられるのでしょうね。

インフルエンザが流行してくると、当然ながら発熱患者が増えます。病院に行くと解熱剤を出されることが多いのではないでしょうか。この解熱剤は、単に熱があるからといって飲んで良いものではありません。医者でもない者がこういう言い方をするのは良くありませんが、熱は免疫力を高めるために出ていると解釈できるのです。ウイルスなどの病原菌は36~37度程度が最も活動しやすい環境であり、これよりも高い温度では増殖もしにくくなります。一方で免疫活動の中心的な役割を演ずる白血球の活性は39~40度くらいでピークとなります。つまり無闇に熱を下げてしまうと、免疫力を落としてしまうばかりか、病原菌の増殖にも利となってしまうのです。

患者の状態にもよりますが、熱は外から奪うようすることがベターです。首筋、腋、股間など大きな血管が皮膚近くを走行しているところを集中的に冷やします。冷やすタイミングは患者が「暑い」と感じてきた時です。まだ発熱しきっていないときは、寒気がします。鳥肌が立つこともありますが、これは立毛筋というとても小さな筋肉までをも収縮させて発熱しようとしている時です。このような時は外からも温める必要があります。要は患者が気持ち良く感じることができればよいのです。昔は、熱があるからといって、暑いのに布団をたくさんかけて「暖かく」して寝ることを強要していましたが、これは正しくはありません。患者が暑いといった時は、布団を取り、室温を下げるなどして、とにかく熱を奪ってやることです。発汗しているので効率良く解熱します。

発熱時は大量に発汗するので、脱水に十分注意しなければならず、特に小さな子供には大人が常に注意を払わなければいけません。子供にはスポーツ飲料を倍に薄めて与えると良いようです。発熱時の水分補給は、絶対に忘れてはいけない大切なポイントです。

発熱で死ぬことはないと言います。とにかく熱を奪うことが大切だというわけですが、熱が出た小さな子供を前にするととても不安であることは間違いありません。熱があっても意外に元気な子供もいますが、このような時にはまず解熱剤は不要でしょう。通常、熱があったら元気がないのは当たり前です。そのうえ、息が苦しそう、呼吸が荒い、ぐったりしているといった身体的異常を親が掴んで、解熱剤を飲ませるタイミングを計ります。子供はとにかく良く観察することがとても大切です。

病院で受け取る解熱剤。38度を超えたら飲んでくださいなどといわれますが、これでは低すぎます。体温だけでは解熱剤を飲むタイミングは判りません。

インフルエンザの季節、「やられたな」と思ったらとにかく身体を休ませることです。無理して出勤しても、仕事の効率が悪いばかりか、周囲に感染を拡大してしまい、会社全体の業務効率が悪くなることもあります。子供を持つ母親の場合は身体を十分に休ませることが難しいこともありますが、なんとか工夫して欲しいところです。

インフルエンザは風邪とはまったく違う「全身性疾患」であることを理解してください。無理は禁物です!