肥満の増加を危惧する

10年以上前の香港ではそれほどでもありませんでしたが、今では大人から子供まで、肥満がとても目立ちます。スーパーのレジに並んでいる女性。ポテトチップ、ジュース、ケーキ・・・・・、高カロリーのものばかり。幼稚園児くらいの子供を二人連れていましたが、丸々と太っていました。きっと好きに食べさせているのでしょう。

香港は脂っこいものが多いから肥満が多いと思っている人も多いと思いますが、実際は違います。私が香港に来た当初(1990年)は、太っている人をあまり見かけなかったものです。「中華料理」である基本的な食事内容はあまりかわっていませんが、ファーストフードと言われるジャンクフードが増えて、肥満が増えたように思います。いつのころからか外食で食事中に飲むものが、お茶からコーラやレモンティーにかわってきたようです。肥満の原因に砂糖の摂り過ぎも加わります。昔から脂っこいものが多いのは仕方がないとしても、糖分の摂り過ぎが日常的になっては良くありません。

香港の人の平均寿命は日本と並んで世界トップですがこれから先、香港人の寿命は短くなるのではないかと個人的には思っています。子供のころに太ってしまうと肥満細胞が増え、たとえいったん痩せたとしても、大人になってから太り過ぎる傾向が強くなり、おまけに痩せにくい体質にもなります。

太ることは循環器系の病気、つまり心筋梗塞や脳卒中のリスクが間違いなく高くなります。血液検査をいつも受けられるわけではありませんが、体重が増えることは脂質
異常と連動するため、循環器疾患のリスクが確実に大きくなると考えておいて間違いありません。もちろん循環器系に限らず全身の健康状態を悪くすることは当然です。健康診断の結果を見ていると、全体重の2%くらい増加するだけで、急に脂質や肝機能の異常、あるいは血圧の上昇などを認めることは決して珍しくはありません。これは特に中年男性に顕著です。

生涯を通して健康であるためには、太らないことが一番。すでに太ってしまっている人は、とにかく痩せること。ただし太っていることが悪いわけではありません。肥満である上に脂質異常、肝機能異常、高血糖、高尿酸、高血圧といったことを指摘されている場合は、ダイエットが急務です。痩せることが最良の治療になります。(特に男性の中年期の肥満)

検査の結果として健康状態に異常が認められない肥満は特に問題が無いことが多いようです。この場合、食事制限しても減量しにくく、無理して健康状態を損ねてしまうこともあります。(特に女性型の肥満)