壊死性筋膜炎(人喰いバクテリア)

先週、50歳代と60歳代の男女が相次いで壊死性筋膜炎と診断され、現在集中治療室で治療を受けている。感染経路は不明だが、原因菌はビブリオヴァルフィニカス。海水中にいる細菌であり、小さな傷口からも侵入し感染するので注意が必要だ。感染は足の傷口からが多い。この細菌は海産物から起きる食中毒をおこすビブリオ菌の近縁種だ。

発症は、初めは小さな腫れ程度。何かに刺されたのかあるいはどこかで打ったことに気がつかないでいたのかと思われるくらいの小さな症状から始まることが多い。ただし、症状は急激に悪化し、見る間に腫れが拡大し皮膚の色が赤から赤黒く変色するような変化が起きる。皮膚からは体液が浸み出てくるようにもなる。(壊死)さらに悪化すると壊死が急激に拡大し、手遅れになると病原菌は全身に拡大し死亡率が急上昇するため、やむを得ず足を切断することになる。非常に怖い病気だ。

患者はもともと肝機能に問題があることが多いという。特に肝硬変患者は危険であるが、私の身近で起きた事例は、とても健康的な40歳前後の男性だったので、誰にでも危険性があるものと認識し、注意しておきたい病気だといえる。

海でのケガに注意。海水浴中には、小さなケガでも特に注意が必要なので、特に岩場や石が多い海水浴場では素足にならないこと。足の皮膚の変化には注意必要で、赤い腫れなどが急に拡大したり、色が変わるなどした場合は、緊急を要するものと判断し、決して楽観視することなく医師の診察を受けること。

あまり馴染みのない病気ではあるものの、中年期以降の人は、海でのレジャーにはもちろんのこと、海水に直接間接的に触れるときも気を付けておきたい。(魚の調理時など)