風邪の季節到来

東アジア地域の11月は、秋と冬の正に境目。暖かいと思っていたら急に冷え込んだりすることを繰り返しながら毎日の最低気温の記録が切り下がっていきます。寒暖の差が著しく、また空気が乾燥することも特徴です。この気候が体調に大きく影響し、「風邪症状」を訴える人が急激に増えてくるのもこの時期です。周囲に鼻をかんだり咳をしたりするひとが目立ってきていませんか?

インフルエンザの流行にも注意が必要ですが、それに先だって『風邪ー上気道感染症』が急増してきます。風邪症状を起こすのはウイルスや細菌など、その種類は数百種類にもなると言われていますが、特にこの時期増えるのはウイルス性の風邪でしょう。ウイルスは乾燥を好みます。寒暖の差が原因で免疫力が低下しやすいので、乾燥した環境下にあるウイルスにとってはヒトに感染することが容易になります。寒くなってくると締め切った空間に人が集まる傾向にあることもヒトからヒトへの感染を拡大しやすい要因になります。

風邪に効果的な医薬品は今のところ存在しません。これは風邪症状を起こす微生物の種類が多すぎることが薬の開発を妨げる大きな要因になっています。巷の「総合感冒薬」と呼ばれる薬は、熱を下げたり、鼻水や咳などの不快な症状を緩和する作用がある医薬品を混合したものであり、すべてが対症療法にすぎません。

風邪と診断した患者に抗生物質を処方する医師がいますがハッキリ言って抗生物質は風邪の治癒に効果はありません。二次感染予防といった理由で処方されるものであり、このようにやたらと処方される抗生物質が、本来の目的で使用しても効果が低下してしまう問題(細菌の薬物耐性)の原因になってきているのです。ちなみに日本と香港は抗生物質の2大消費地だそうです。

寒いから風邪をひくのではありません。大きな原因は免疫力の低下です。休養(睡眠)、適度な運動、適切な栄養摂取といった言い古されたようなことばかりですが、これが基本です。もちろんインフルエンザ予防にもなります。外出はできる限り混雑を避けることも感染を避ける方策です。