ノロウイルス感染、流行拡大中
ノロウイルスをはじめとする流行性胃腸炎の患者は、今年も夏から急速に増えており、この勢いで増え続けると、大流行したといわれた昨年の感染者数超えてしまいかねない勢いです。昨年流行に警戒されましたが、今年は深刻な事態とも言えそうです。ノロウイルスに関しては今年8月に香港で感染者数が急増していると香港衛生署が警告したことは、本メールでもお知らせした通りですが、その後も患者数は増え続けています。
ノロウイルスは極めて少ないウイルス数(10個から100個くらい)で感染する、非常に感染力が強いウイルスです。また患者の便には小指の頭ほどの量に、数十億個ものウイルスが含まれており、下痢便に伴って発生するミストで感染してしまう危険性も大きいといわれます。学校など集団生活の場であれば、一人の感染者から、爆発的に感染が広がり、休校しなければいけない事態にもなりかねません。一般的には死亡リスクが高い感染症ではありませんが、感染の拡大が早く(感染しやすい)、十分注意するべきものです。また感染者数が増えれば、社会的な問題にもなります。
ノロウイルスに感染すると、激しい下痢や嘔吐で脱水症状を起こしてしまうこともあり、さらに38度くらいの発熱を伴うことも珍しくはありません。脱水(電解質異常も)に対する対応が患者のケアには大切なポイントになります。また下痢便や吐瀉物を掃除するときには、必ずゴム手袋とマスクを着用し、2%くらいに薄めた漂白剤で吹くことも大切です。家庭内での感染拡大を何としても防ぎたいものです。家庭内で感染者が複数いると、トイレの奪い合いになりかねません!
感染経路は患者の排泄物と食品。その意味では手洗いの励行は最も効果的な予防法といえます。また特に注意しなければいけない食品は、冬になると美味しい生牡蠣です。ノロウイルスが冬に流行する理由として、生牡蠣の消費が増えるからだと言われたころもありますが、どうやらその説は間違っていたようです。日本の生牡蠣は、無菌処理されるようになってきたのでその安全性は近年極めて高くなってきています。ところが日本での患者数は減らないどころか反対に増える傾向にあります。世界的にも生牡蠣は日本人や欧米人しか食べませんが、ノロウイルス感染症は全世界的に流行しているのです。もちろん、それでも生牡蠣は感染源としては有力であることに変わりありません。体調が悪い時には食べないほうが無難でしょう。
感染してからの潜伏期間は数時間から数日と大きな幅があり、食品から感染した場合には、原因食品の特定が困難なことにもなります。症状は急激に現れることが多く、夜中に下痢を催して起きてしまいそのままトイレとベッドを行き来することになるのも珍しいことではありません。
今後、本格的な冬を迎え、また外食の機会が増える季節、ますますノロウイルス感染者が増えると思います。十分な注意が必要です。また感染者が家族内に出た時の対処についても、少し考えておく方が良いかもしれません。