インフルエンザ流行の兆し

日本の国立感染症研究所感染症情報センターによると12月下旬に佐賀県に全国で初めて流行が確認されたインフルエンザは、その後一気に全国に感染拡大し、本年第2週にはほぼ全国的な流行となっています。この週、どこの保健所にも注意報や警報が発令されていないのは、たった9県のみです。流行は関東地方を中心とする東日本一帯、そして九州北部を中心として拡大しています。

本年第二週に医療機関を受診した患者数の推計は、全国で80万人前後。年代別には20代、30代がそれぞれ12万人、40代で11万人、0~4歳、5~9歳がそれぞれ8万人となっています。このところ学級閉鎖や学校閉鎖の数も急増しています。

日本の流行と海外では事情が違うのではないかと指摘を受けそうですが、流行の時期やウイルスのタイプは北半球でほぼ一致します。従って日本で流行が始まったということで、香港など近隣アジア各国地域での流行が予想できます。ちなみに香港での流行は日本の本格的な流行に1カ月くらい遅れるというのが私の感覚です。このままだと旧正月頃には大流行になりそうです。

人の動きが激しいこの季節、感染症も拡散します。昔は移動手段が極めて限られていたので、インフルエンザといえども感染拡大に時間がかかったものですが、今では感染者が飛行機で移動してしまうため、瞬時といっても良いくらいのスピードで感染が拡大しているのが現状です。

今の時期は一般の風邪も流行していますが、インフルエンザは風邪とは違う全身疾患であり、体力がない高齢者などは死に至る重篤な病気です。毎年全世界で50万人もの人がその関連で死亡すると推測されているほどです。

インフルエンザは急にやってきます。悪寒を感じたと思ったら急に40度近い発熱に加えて、関節が痛くなるなど全身に症状があらわれます。やられたと思ったらとにかく身体を休めることです。闇雲に解熱剤を飲まないで、発熱で暑かったら、とにかく体表面から冷やしてください。初期であればタミフルなどの抗生物質が効果的に作用します。なるべく早く病院で処方してもらってください。薬を飲むと急激に症状が和らぎますが、ウイルスの排泄は2~3日は続くので、たとえ外出するにしてもマスクの着用は怠ることはできません。無理して出社したり登校したりすると、感染を拡大してしまう可能性があるので、十分休んでからにしてください。

旧正月を前にして外食の機会が増える季節であり、それだけ感染の機会が増えることになります。また寒いから感染しやすいのではなく、寒暖の差が大きかったり、乾燥していたりすることがそのリスクを増やすことになります。マスクをするのであればガーゼマスクがお勧めです。乾燥した空気を温めて加湿してくれるからです。また手洗いやうがいといった古典的な手法も取り入れることは感染予防に有利でしょう。

とにかくかかったと思ったら、すべて諦めてしっかり休むこと。これが一番です。