H7N9型インフルエンザで死亡
中国衛生当局の発表によると、上海で87歳と27歳の男性が3月上旬に相次いでH7N9型インフルエンザに感染して死亡しています。さらに安徽省の35歳の女性からもこの型のウイルスへの感染が確認され、この患者は現在治療中です。確認されたものとしてはヒトがH7N9型ウイルスに初めて感染した事例となりますが、弱毒型とされていたにもかかわらず死亡例が出ていることは、実際にはもっともっと多くの人の感染がすでに起きているのではないかということも疑われます。またH7型インフルエンザには弱病原性のものと高病原性のものがあることがわかっており、今回のウイルスに関しても、その性質を遺伝子レベルで詳しく調べる必要があります。
高齢者はともかくとして、30歳代の人がインフルエンザで死亡することは極めて稀です。もちろん現在流行中のA香港型インフルエンザ(H3N2型)でも死亡者は、日本だけでも年間1万人くらいはあるものと推計されていますから、今回の死亡例も驚くほどのものではないのかもしれません。考えられることは、1、弱毒性とされていたウイルスが、実は高病原性に変化していたこと。 2、毒性はそれほど強くはないものの、死亡あるいは重症化した患者は何らかの基礎疾患を抱えていた可能性。3、すでに相当数の人が感染しているなかで、たまたま死亡例として報告された。このくらいでしょうか。
さて今後どうなるかですが、まだWHOからも中国当局と連携して十分監視していくとしか公式見解が出ておらず、このウイルスの性質についてはまだ何もコメントされていないようです。これまでH5N1型が重要視されてきており、実際にエジプトを初め多くの国で散発的に死亡例が出ています。目下このウイルスがいつ本格的にヒト-ヒト感染を起こすかが重大な関心事として注目されています。そこにH7N9型鳥インフルエンザの人への初めての感染ですから、また問題が複雑になるのかもしれません。
予防法は?という質問がありそうですが、今回のインフルエンザも鳥からの感染であり、今のとこと濃厚接触者の中にも感染者はあらわれてはいませんから、ヒト-ヒト感染が起きている可能性は低いと思われます。とりあえずは鳥に近づかないことです。死んでいる野鳥を触るなどは絶対にしないでください。これは今回のH7N9型だけではなくH5N1型でも共通の基本的な注意事項です。
もちろん調理された鳥にはまったく問題はないのは当たり前ですが、こんな基本的なことがしっかりと理解できずに、鳥料理さえ食べなくなってしまう人が少なくないのは困った問題です。
今後の情報には十分注意しなければいけませんが、巷の噂には振り回されずWHOや各国の衛生機関の情報で判断するようにしてください。