ダニアレルギー
ニュースでも取り上げられているので、すでにご存じの方も多いのではないかと思いますが、長期保存してあった「お好み焼粉」に大量発生したダニが原因で、その粉で作ったお好み焼きを食べてアナフィラキシ―ショックを起こした症例が報告されています。
開封した小麦粉など粉製品を長期保存しておくと、ダニが発生しやすいことは昔から知られていたことです。ダニ自体には毒や病原性はないのでこれまで問題視されていませんでした。ところが海外ではダニが
発生した材料でつくったパンケーキで重度のアレルギー反応が起きたことがパンケーキシンドロームとして1993年に初めて報告されています。
食品の保存技術が良くなったので最近では未開封の状態でダニが湧いてしまうようなことはありませんが、一旦開封すると保存状態によってはダニが大発生してしまいます。お好み焼きのミックス粉はアミノ酸などの調味料が加えられていることから、ダニの発生には好条件となっており特に注意が必要です。
実は食品とダニの関係は、私が高校生のころに生物の先生から聞いていました。その先生は日本ダニ学会の会員で、休日にはダニを求めて全国飛び回っているという変わった先生でした。その授業の内容は覚えていませんが、授業中の雑談で「七味唐辛子にダニが湧く」という話だけは鮮明に記憶しています。食品だけではなく、「家中ダニだらけ。しかしヒトと共存しているものなのでまったく無害である」というのがその先生の話の結論でした。(実は私自身も香港に来てから七味唐辛子にダニを湧かせてしまった経験があります。)
昔は食品に湧くダニに関しては注目されることがありませんでしたがアレルギーの問題が判ってきてからは、できる限りダニを遠ざけなければいけないとされてきています。これは現在の常識です。特にアレルギー疾患(ダニアレルギー)がある方の場合は特段の注意が必要であることは言うまでもありません。粉物は室温にて保存することを避けてできる限り冷蔵庫に保存してください。高温多湿の季節にはダニが大量発生しやすいので、室内を乾燥させることも大切です。
お好み焼きやケーキを焼く時の加熱で、材料中に大量にダニが発生していても完全死滅しますが、アレルゲン(アレルギーの原因物質)としての特性は、加熱の影響を受けることなく維持されます。
食品とダニの関係はほとんどの人が知らなかったことだと思います。まさかミックス粉にもダニが湧くなんて、思いもしなかったことでしょうね。これからの季節は、食中毒やカビだけではなく、ダニの発生を防ぐためにも食品の保存には注意が必要となります。七味唐辛子が八味唐辛子にならないように・・・(笑)