鳥インフルエンザH7N9型現状

このところ鳥インフルエンザに関して報道が減っていると感じている
人もあるのではないでしょうか? 中国内ではH7N9型鳥インフルエンザの
感染源とみなしている家禽市場を次々に閉鎖してきましたが、その甲斐あって
かこの1週間ほど新規の患者発生がありません。ヒトからヒトへの感染が確実
に無いものとはいえない中、家禽市場の閉鎖が感染者数の増減に関係するの
か注目されていました。家禽市場が感染源であったのであれば、市場閉鎖後は
新規の患者発生はなくなる、あるいは少なくとも有意に減少すると考えることが
できるからです。数日間連続して新規の患者発生がなかったということは
、封じ込め対策がひとまずは良い結果を生んでいるものといえます。

しかし安心はできません。専門家は感染者数は実際には報じられているよりもはるかに多く、症状が軽い、あるいは無症状であるために感染がわからない人がかなりの数にのぼるのではないかと指摘しています。私自身も感染者数の増加があまりにも遅いので、実際にはかなりの感染者がいるのではないかと思っていました。発症したのは免疫力が低下していた人に集中していたのでしょう。

さて、新規患者の発生を見ないことでこのまま終息するのかというと、それほど感染症対策は甘くはありません。ウイルスはどこかに存在することは確かですし、すでに性質を変えている可能性も否定できないのです。これまでのところヒト-ヒト感染がたとえあったとしても、極めて限定されたものであったわけですが、すでにウイルスはヒトーヒト感染を起こしやすいタイプになりつつあるのかもしれません。想像の域を超えませんが、まだまだ当分の間は注意が必要です。

多くの人に感染が広がっているのであれば、それだけ従来型のウイルスとヒト体内で共存する機会が増えるわけであり、毎年流行を繰り返すH3N2型インフルエンザウイルスの性質(ヒト-ヒト感染力が極めて強い)を兼ね備えたH7N9型ウイルスが誕生する危険性がますます高まることになります。

従来型の抗インフルエンザ薬に感受性がある(効果がある)ことが安心材料です。タミフルなどの特効薬は十分あります。ワクチンの開発は早くて半年かかるので、北半球の秋には間に合う可能性も期待できます。

今後、さらに感染が拡大するかもしれません。中国内で感染した台湾人が、台湾に戻って発症したということで大きな騒ぎになりましたが、ヒトが頻繁に移動するわけですからこのようなケースが起きることは何の不思議もありません。国や地域を超えて感染が拡大した時に不安が大きくなりますが冷静にとらえる必要があります。

情報はマスコミ報道を第一にするのではなく、日本であれば感染症研究所や厚労省、香港であれば衛生署、あるいは世界の衛生行政の大本山であるWHOなどといった公的なところから得るようにしてください。