重症熱性血小板減少症 SFTS
たびたび報道されているので徐々に知られてきている感染症ですがダニに咬まれて原因となるSFTSウイルスに感染し発症します。日本では昨年の秋以降に患者が報告され、それ以降各地で感染者が認められており、これまでに死亡例も相次ぎ報告されています。
日本では今年3月4日付で感染症法にて第4類感染症に指定され届出の対象になりましたが、実際にはそれまでも多数の感染者が出ていたものと思われます。中国では2006年に確認された後、各地で感染者が報告されておりこれまでに判っただけでも数百人の感染者が出ていますが、その多くは地方の農民でした。しかし、最近日本での感染例を見てもわかるように一般に認識されているよりも広範囲に感染が拡大し、なおかつ身近な感染症になってきていると考えたほうが良さそうです。
潜伏期は1~2週間。発熱に加えて腹痛やおう吐といった消化器症状があらわれ、さらに下血をみます。死亡率は30%くらいまで。その名の通り臨床的には血小板が減少して、出血傾向が著しくなることが特徴です。
マダニにかまれることが感染の原因となりますが、このダニは特別なダニではなく、我々の生活圏から一歩出ればいつ刺されても不思議ではありません。もちろん上にも書いたように農民に患者が多かったということにはうなずけますが、ハイキングなどのレジャーでの感染も十分に注意が必要です。ダニはちょっとした草地や茂みであればどこにでもいます。専用の道具を使って採集すればいくらでも捕獲できるようですが、ヒトを刺すのはごく一部だけです。ダニといえば、粉物などの食品にもごく普通にいるのもですが、こちらは刺すタイプではありません。
これからアウトドアライフを楽しむ人が多くなるかと思いますが、茂みなどに入る場合、できる限り肌を露出しないことです。もちろん虫除けなども効果的です。万が一、刺されてしまった時はダニを無理に皮膚からとらないで、必ず皮膚科医に相談してください。一旦皮膚に喰いついたダニは容易にはとれず、とれても頭部が残るなどして、後の処置が厄介になるばかりか皮膚症状がひどくなったり、ウイルスなどが体内に侵入しやすくなるなどします。マダニは吸血前には3mm程度ですが、数日吸血すると1cm程度になることもあり、ホクロと間違えることもあるくらいです。とにかくどんなに吸血されていても自分では絶対に取らないことです。