デング熱 続報2

デング熱の国内感染事例が、約70年ぶりに確認された日本では、その後感染者数が22人にまで増えました。なかにはテレビ番組の撮影中に感染したタレントもいたことから、マスコミでも大きく取り上げられています。このような感染症事例において、いつものことですが不安を煽るマスコミ報道などが目立つような気がしてなりません。
 デング熱は熱帯亜熱帯地方では「風邪」と同じような扱いを受けています。こういうと「バカなことを言うな」とお叱りを受けるかもしれませんが、リスクとしてはインフルエンザと同じ程度に考えても良いのではないでしょうか。具体的には、年間1億人の感染者に対して、死亡率が高くなるというデング出血熱(死亡率15%程度)に至るのは25万~50万人と推計されています。つまりデング熱に感染して死亡するのは2000人にひとり程度であり、しかも感染者の多くは医療サービスが不十分な地域で感染・発症していることも間違いなく、死亡率を上昇させているものと思われます。
 日本で問題なのは、「新しい」といってもよい感染症の患者が国内で確認されたという事実であり、求められていることは初期の対応を間違いなく行うということです。感染源は東京の代々木公園にあることは間違いなさそうで、現在、公園の消毒作業を行うとともに、媒介蚊(ヒトスジシマカ)の発生源となりうる公園の池の水抜き作業が行われています。
 今回の患者数は22人にのぼっていますが、居住地は異なるものの誰もが代々木公園あるいはその隣接地にいたことがあるという共通項から、代々木公園に生息しているヒトスジシマカがたまたま感染者から吸血し、感染源になったものと考えることが妥当でしょう。日本のデング熱輸入例(海外で感染して帰国後発症したケース)は年に200~300例くらいであることを考えると、代々木公園にいたと思われる感染蚊も「たまたま」感染者から吸血したものと考えられます。また蚊が吸血する行動を考えると、一旦人にとまって吸血行動に出たものの体動に驚いて飛び立ち、近くの人で再度吸血を試みるわけです。感染蚊であれば、これで二人に感染させてしまうことが考えられ、同様にして何人にも吸血を試みたと考えれば、感染者が複数あらわれても何の不思議もありません。もちろん感染者を吸血した蚊はたった1匹だったと考えるのも不合理でしょう。したがってまだ感染者数が増える可能性もありますが、感染したのが代々木公園であれば、問題は大きくはありません。
 感染の拡大は、今後各地に居住する感染者からさらに感染が現れた場合に心配されるものの、現時点ではその可能性は殆ど無いのではないでしょうか。