結核に対する注意
過去の病気であるというイメージが強い結核感染です。しかし、現在でも集団感染事例が散発するなど、十分な注意が必要であることを改めて認識しておきたいものです。
最近の日本の事例ですが、大阪の社会福祉施設で30人もの集団感染が起きたり、北九州市でも会社勤務の8人が集団感染が起きるなど、全体の感染者数は、かつてに比べて減ってきてはいるものの決して安心できる状態にはありません。
日本の新規感染者数は10万人当たり13人強となっており、先進国の中ではまだまだ非常に多いものとなっています。20数年前には30人にも達し結核非常事態宣言がなされたときに比べると激減しているようには見えますが、今後東京オリンピックを迎えるにあたり、海外からの旅行者が増えることで結核感染が再び増える懸念があります。さらに海外からの労働力移入も制度化された現在では、しっかりとした対策を実施していかなければいけません。
さて、香港はというと、昨年の統計で新規感染者数4326人、医療統計上用いられる10万人当たりにすると50人を大きく上回っているのが現状です。もちろん中国あるいは東南アジアなど香港との交流が盛んな国々の感染者はさらに多いことから、海外に暮らす日本人も結核感染に対しての特段の注意が必要となります。
私の耳に直接入ってくる情報だけでも、毎年ひとりは香港で日本人感染者が現れているので、実際にはさらに多くの感染者が出ているに違いありません。単純に1万人当たりの感染者数が5人であると考えれば、香港の日本人数人の感染者がいるものと考えられます。
ほとんどの患者は半年間に及ぶ投薬治療を受けつつ、通常の生活を送っているので、昔、恐れられていた不治の病というイメージはまったくありませんが、知らないあだに周囲に感染を広げてしまう危険性に関しては今も昔も変わりありません。毎年一度は、必ず胸部レントゲン検査を受けるべきです。結核感染の多いところでは、胸部レントゲン検査は結核の検査だといっても過言ではありません。
毎年受診する健康診断での胸部レントゲン検査は、思っている以上に重要な検査であるといえます。