BMI27以上の肥満男性は大腸がんのリスクが増大
日本の厚生労働省研究班によると、日本人男性で肥満度(BMI)が27以上の場合、大腸がんの発症がBMI25未満のグループに比べて1.4~1.5倍高いことがわかったという。これは日本の9府県の約10万人(40歳から60歳)に90~92年にアンケートを実施し、その後10~12年間追跡した大規模調査の結果だ。
アンケートの内容やその後の追跡方法までは報道されていないが、喫煙、飲酒、年齢といった影響を取り除いた結果として、肥満と大腸がんの関係について明らかにされた。10万人を長期にわたって追跡した大規模な調査で、その信憑性は高い。なお、女性については有意な関連性は認められなかったという。
大腸がんに関しては、野菜など繊維分の摂取によって発症リスクが低くなるという説が否定される研究報告も最近出ていたが、今回の調査結果を見る限り食生活との関連性は非常に強いものといえるだろう。
肥満の原因は高カロリー、つまり必要以上に摂取されたエネルギーが体内に蓄えられることだが、やはり脂っこい食べ物を好む人に肥満が多いことには疑う余地はない。従来日本人の食事で脂質が多いものは天ぷら等の揚物くらいで、日常的に食べているようなものではなかった。ところが最近は食生活の洋風化が進み高脂質食品を常食するようになってきており、乳製品や肉類の摂取が極端に増えている。反対に主食である米の消費が著しく減っている現代では、カロリーの主体が米から油脂に変化して、太りやすい食生活になってきたといえるだろう。ただし日本人の平均的摂取総カロリーは昔も今もそれほど変わらないそうだ。
野菜など繊維質をたくさん摂れば大腸がんの予防になるという説には疑問が投げかけられているが、今回肥満との関係が指摘されたことで、やはり食生活と大腸がんは密接な関係にあることは間違いない。食生活を見直して太りにくい食事に変えることは、糖尿病はもちろん心筋梗塞などの循環器系疾患のリスクを低下させるばかりではなく、大腸がんの発症も抑えることができるわけだ。