鳥インフルエンザ情報
鳥インフルエンザ(H5N1)ウイルスが南下している。
今年の夏、中国からモンゴルへ北上し、さらに大陸を西に進んでルーマニアやトルコでも確認された鳥インフルエンザは、季節が進み現在は中国南部にまで広がってきた。これはおそらく渡り鳥によってウイルスが運ばれているものと推測され、暖かいときにロシアで移動した渡り鳥が、寒くなって南下するのにあわせて、再び中国(安徽省と湖南省)でもウイルスが確認されるようになったわけだ。H5N1の渡り鳥に対する毒性が低いため、渡り鳥がキャリアーになってウイルスを運んでいるという。香港に到達するのは時間の問題だ。
鳥インフルエンザは、その名のとおり「鳥」の病気だ。これが大きななニュースになるのは、大量に鳥を処分しなければいけないからではない。もちろん何万羽もの鶏が殺処分される光景はショッキングである。鶏や卵の移動禁止処置などが行われるため、経済的な問題が大きいことも確かだ。しかし、問題は「新型インフルエンザ」だ。歴代の新型インフルエンザは鳥インフルエンザがその原因になっていることが明らかになっている。
今朝のAFP電では、タイから帰国したフランス人に鳥インフルエンザ症状が認められ、現在パリにて検体の精密検査をおこなっているという。
現在のところ鳥から人が感染するケースのみが報告されており、人ー人感染はない。しかし全世界的に鳥インフルエンザが報告されるようになり、ウイルス自体が少しずつ変化していることは間違いない。近い将来、人の新型インフルエンザに生まれ変わり、数千万人の死者を出すことが試算されている。
アメリカではすでにワクチンが開発され、大統領が400万人分を備蓄することを指示している。世界各国でワクチンの開発が研究されているがまさにウイルスとの競争だ。ワクチン開発は思うように進んでいないのでこの冬を何とか越せるかどうかが大きな問題となるだろう。
治療薬のタミフルの備蓄も各国で進められているが、スイスのロッシュ社でしか生産できず、これまでのところ必要量を満たしているとはいえない。コストが高いタミフルのかわりに薬価が安いアマンタジンを使おうとする動きも途上国を中心にあるが、このアマンタジンを中国では鳥インフルエンザ対策として、鶏に投与していたというから驚きだ。こんなことしたら薬剤耐性にウイルスが生まれてしまう危険性が非常に大きく、途上国での対策が困難になる可能性もある。
個人での対策も必要だ。毎度同じことを言うが、手洗い、そして栄養と休養が大切だ。免疫力を落とさないようにしなければいけない。適度な運動も必要だろう。明日にも新しいウイルスが誕生するかもしれない。時間の問題だ。一人ひとりがその危険性を認識して、自分自身の健康状態に留意することが大切だ。