日本脳炎で死亡

 香港において8年ぶりに日本脳炎で死者が出た。死亡したのは2年前に来港した29歳のインドネシア人。5月29日に発病、クリニックにて風邪と診断されたものの、症状が改善されず、6月2日にマーガレット病院に入院。集中治療室にて治療したものの快復せず、7日に死亡。衛生署における検査で、10日になって日本脳炎であったことが判明した。

 日本脳炎はアジア全域に患者を認め、予防接種がある日本と韓国ではほぼ制圧されているものの、年間3~4万人が発病しているといわれる。
  香港は予防接種はないものの(医師が個人でワクチンを輸入しているケースはある)、患者の発生は稀だ。

 日本脳炎は、豚の体内でウイルスが増殖し、コガタアカイエカによって伝播される。したがってワクチン以外では蚊に刺されないようにすることが最大の予防となる。
  特に自分の日常の生活圏内に養豚場があるような場合は、特に注意が必要だろう。もちろん蚊は数キロ以上も飛翔するので広い地域で感染危険性があるといえる。

 ただし、感染しても発症するのは100~1000人にひとり。特別神経質になる必要はない。

 日本脳炎ウイルスと同じ種類のウイルスに西ナイル熱ウイルスがある。現在アメリカ全土に流行が広がっており、これまでに米国内で500人以上死亡している。西ナイル熱は今後世界中に感染を拡大する可能性が強く、各国で強く警戒されている。
  西ナイル熱も蚊によって媒介されるが、関与する動物は日本脳炎が豚であるのに対して、こちらは鳥だ。渡り鳥も感染拡大に大きな役割を持っているらしい。
  西ナイル熱はワクチンが未開発であり、今後は日本脳炎より比較にならないほど問題が大きくなるかもしれない。