インフルエンザ流行始まる?-日本

 日本の国立感染症研究所が全国約5000箇所の医療機関のインフルエンザ患者動向に関する定点観測の結果をまとめた。それによると今期の流行は過去5年間ではもっとも早く、患者数の増加は先シーズンよりも約1ヶ月早いペースだという。

 今年の流行型はA香港型とAソ連型。昨年はB型が非常に多かったので、多くの人がB型に対しては免疫を持っていると思われるが、今年の流行型が異なるため感染には注意が必要だ。特にA香港型は感染力が強く、爆発的に流行するため今後の患者数の増加が懸念される。

 特にクリスマスシーズンで、外出や旅行の機会が増えることで感染拡大にはより一層の注意が必要になる。人ごみや乗物は特に感染しやすい場所だ。外出後は必ず手を洗い、軽くうがいをしておくことを勧めしたい。自分の手を顔に持っていくことも外出時にはもちろん、できる限り避けたいことだ。手指は最も汚染されている部分であり、鼻や目などはウイルスの侵入経路となるからだ。

 日本の流行は観測地点によってはすでに始まっているといえるものの、全国的には年末の移動シーズンにかけて急速に流行が拡大すると思われる。香港の流行期は、日本にやや遅れて始まることが多い。ワクチン接種が可能であれば、1月上旬までには接種しておきたいが、香港にはワクチンがほとんどないので接種が非常に困難だ。日本へ行く機会があれば、日本で接種することを勧めたい。

 しかし、予防接種を受けておけば安心というわけではない。逆を言うと、予防接種できなかったからといって感染を恐れる必要もない。日本ではワクチン接種の有効性を疑問視する専門家も少なくはない。

 何度も書くことではあるが、インフルエンザに限らず感染症への対策は、自分の免疫力を高く維持しておくことに限る。要は不摂生をしないこと。折りしも忘年会シーズンで、通常より睡眠時間が短くなっている人もいることだろう。忘年会などでは人と人との接触が多くなる。テーブルを囲んで楽しく食事することは結構なことではあるが、残念ながらこのような状況は人から人へ感染する病気が容易に拡散する場面でもある。

 連日の飲み会、睡眠不足、疲労蓄積といったことで、免疫力が著しく低下する可能性がある。少なくとも十分な睡眠だけは確保しておきたい。そして、おかしいと思ったときは早めに休むこと。休みを躊躇しているうちに状態は悪くなるばかりか、周囲にも感染を広げることになる。会社などではスタッフが休みやすい環境を造ることも、この際必要となる。新型インフルエンザ流行時の対策にもつながるはずだ。

 ところでインフルエンザの治療薬タミフルは、年が明けてから香港に供給が再開されるそうだ。少し安心できるニュースかもしれないが、各国はタミフルの備蓄を積極的に勧めているので、香港にどのくらい供給されるかわからない。世界的に不足している状況に変わりないからだ。

 このタミフルを個人備蓄する動きも世界的に見られ、インターネットでも取引されているそうだ。しかし米国FDAや製造元のロッシュ社では、ネットでは絶対に購入しないように呼びかけている。これは模造品があまりにも多いことと、タミフル自体副作用が起きやすい薬で、個人の判断で服用しても構わないという薬ではないからだ。ちなみにある偽物のタミフルにはビタミンCが含まれているものの、タミフル自体は痕跡程度だったという。

 タミフルに対する抵抗力をつけたインフルエンザウイルスが出現する可能性がある。通常のインフルエンザ治療にタミフルを使用していると、現在懸念されている新型インフルエンザに対して、最悪、効果が期待できなくなることが懸念される。服用は慎重におこないたい。