チクングンヤ熱

 香港衛生署は輸入例であるものの香港で初めてチクングンヤ熱の患者を認めたことを、3月29日に公表した。

 患者は66歳の男性。3月16日から22日までの間アフリカのモーリシャスに旅行で滞在。
 香港に戻った22日から発熱、寒気、筋肉痛といった症状を訴え、プリンス オブ ウェールズ病院に入院。検査の結果、チクングンヤ ウイルスに感染していることが判明したが、現在患者の容態は安定している。

 チクングンヤとはスワヒリ語で「前かがみになって歩く」という意味だ。「のけぞる」という意味を紹介している場合もあるが、いずれにしても痛みに苦しむ患者の様子を表している。

 1952年に東アフリカで発見されたが、当初は致死性がない病気だと思われていたが、最近になって死亡例が報告されるようになった。

 WHO(世界保健機関)の最新の情報によると、フランス領レユニオン島では昨年来大きな流行が続いているという。2005年3月5日から2006年3月17日までの約1年間に全人口78万人のうちのおよそ4分の1にあたる20400人が感染したものと推定され、死者も100名近くに達している。

 香港衛生署、Dr.Tsangによると、この感染症は、発熱、頭痛、手首、ひじ、ひざのみではなく、小さな関節も含めてひどく痛むことを特徴とし、関節痛を除いて3~10日で症状は収まる。しかし関節痛は数週間から数ヶ月も続くこともあるという。潜伏期間は1~10日間。

 これまでにアフリカ、アジア、西インド諸島での発生が報告されている。特に現在流行が確認されているところは
マヨーテ島 2833人
モーリシャス 6000人
セイシェル 8818人  など

 香港からはモーリシャスへの旅行者が多いが、イースターでこれらの地域に旅行する場合は特に注意が必要だろう。

 チクングンヤ熱の治療法は現在のところない。予防は蚊に刺されないことだけだ。
 熱帯から亜熱帯にかけて、マラリアやデング熱など蚊が媒介する感染症が多く、旅行者でも感染の危険性は大きい。チクングンヤ熱をはじめこれらの熱帯病に感染しないために旅行中は蚊に刺されないように十分注意することが大切だ。虫除けスプレー等の使用、長袖長ズボンの着用、エアコンが無い部屋ではモスキートーネット(蚊帳)を使用することだ。

 旅行後に体調が悪い場合は、行き先などを必ず医師に報告して欲しい。特に死亡率が高いマラリアでは直前の旅行情報を医師に伝えることは極めて重要だ。旅行先でどのような病気に感染したかは素人では判断できないので、体調不良の場合はできる限りの情報を医師に伝えることが大切だ。