スーパーの野菜から禁止農薬
香港の2大スーパーマーケット(ウェルカム、パークン)で売られている野菜13種類55サンプルを、環境保護団体グリーンピースが独自に調査したところ(昨年11月、今年3月)、禁止農薬の残留が認められたほか、認可農薬でも基準量を大幅に超える農薬の残留が認められた。
農薬の残留が認められた野菜は41点、農薬の種類は20種類に上る。禁止農薬としては昔は日本でも大量に使用され、世界的にもマラリア蚊対策に膨大な量が使用されてきたDDTやリンデンなど慢性毒性が強い農薬も検出されている。
サンプル購入したこれらのスーパーでは、その8割が中国からの野菜。時々「毒菜」で中毒を起こしたとして話題になり、食物環境衛生署ではそのたびに監視強化するとしているものの、実際には今回判明したとおり日常的に農薬が残留している野菜が店頭に並べられているものと思っていても良さそうだ。
中国野菜は日本でも時々槍玉に挙げられており、生産現場での農薬使用規制がきちんと守られていないものと思われ、輸入野菜の検査を厳密におこなう必要性が強く求められることはもちろんであるが、消費者サイドでも最低限の対策を講じておきたい。もちろん日本から輸入されている野菜を主に購入するというのであれば、中国野菜に関する問題は少ないかもしれないが、まさか外食しない人はいないだろうし、中国野菜を食べないで済ませられる人はごく稀だろう。
購入した野菜はとにかく良く洗うこと。ざっと洗って浸け置きし、そして流水で良く洗い流す。もちろん親水性(水に溶ける性質)の農薬は少ないので水で洗ったところで限界はあるがそれでもかなりの農薬を流すことが期待できる。ただし農薬の類は中国野菜に限らない。たとえば日本にアメリカから輸入されているオレンジ。1970年代、アメリカは日本に対して強力に圧力をかけ、当時、日本でも、アメリカでも使用が禁止されていたOPP(オルトフェニルフェノール)の使用を認めさせてしまった。OPPなしでは船積みされたオレンジが太平洋を渡るあいだにかびてしまうからだ。
中国野菜に限らず我々が消費する農産物品の多くには農薬類が使われ残留している。小麦粉などの残留農薬はかなり濃度が高いという。消費者自身も勉強してある程度の知識を蓄えておくことが大切だ。中国野菜に注意が必要なのは当然であるが、今回の問題もそれにとどまることとせず、日本も含めた食品の安全を考える機会としたい。インターネットで検索するといくらでも関係資料が得られる。食のグローバル化が進み、世界規模で食料・食品問題を考えなければいけない時代だ。専門家に任せる仕事だといわないで、自分自身の問題として勉強してもよいだろう。