心の病、30代社員に急増
『30代の会社員にうつ病や神経症など「心の病」が急増していることが、社会経済生産性本部メンタル・ヘルス研究所の実施したアンケートでわかった。30代で最も多いとした企業は、04年でほぼ半数だったのが、今年には61%に増えた。また、6割以上の上場企業が、「心の病」を抱える社員が増えたと回答した。専門家は「急速に進む成果主義や管理職の低年齢化が一因ではないか」と分析している。』
以上本日の「朝日コム」より
「心の病」が特に30代に多いという実感はないが、少なくとも香港に在住する日本人にメンタルケアの必要性が増していることは、間違いないことだろう。これは、このところ自分自身の異常に気がついて相談してくる人が多いことから特に感じることである。メンタルな問題に関して比較的オープンに話しやすくなった最近の社会的な環境変化が後押しして自分自身の状態を訴えやすくなったのかもしれない。
もちろん相談をしてくる人の影にはその何倍、いや何十倍もの「患者」が存在していることは確かだ。家族や上司が気がついて相談するケースもあるが、多くは表面的には全くわからないことの方が多いはずだ。実際、上司に相談しても、病状について理解が得られなくて困っているという訴えも聞く。
上の記事では職場内のコミュニケーションが少なくなったことが「心の病」が増えている一因とし、職場内での横のつながりをいかに回復していくかが課題であると結んでる。しかし、本当に職場内の横のつながりを回復することで、問題は少なくなるのだろうか。私は非常に疑問だ。
コミュニケーションは確かに非常に大切であるが、人の訴えを聴いてあげようという姿勢が求められる。(「聞く」ではなく「聴く」姿勢)
会社組織の中で横のコミュニケーションも大切であるが、単に横のつながりだけだと酒を飲んで愚痴をこぼすだけに終わる可能性があり、問題の解決につながりにくい。やはり上下の関係において風通しを良くして、上に立つ者が部下からの相談事に耳を傾ける姿勢を日頃から示しておくことはとても大切なことだ。
家庭でも同じだ。信じられない人も多いようだが海外駐在員の妻たちがメンタルな悩みを抱えていることが少なくないという。楽しそうにしているのは外に出ている人たちだけで、精神的に壁にぶつかり外出もままならなくなることも珍しいことではない。外に出てこないので問題として認識されにくいのだ。妻の問題に関しては、やはり夫の役割が大切になる。これも会社と同じで不満や愚痴をじっと聴いてあげることが、たいへん大切なメンタルケアのポイントとなる。逆もまた同じ。夫の話をじっと聴いてあげている妻もいるというが、これも夫のメンタルケアには相当な効果をもたらすに違いない。
どのような人間関係でも、お互いの話に耳を傾け傾聴する姿勢は、悩みを持った人々の心を癒す糸口になるに違いない。