旅先での健康管理

今週末から年明けにかけて、多くの人が休暇旅行に出かけることだろう。今年は一番安全だと思われる日本でノロウイルスが異常に流行しており、ホテルの宿泊客が集団感染した事例も複数起きているほどだ。数個のウイルスで感染するほど感染力が非常に強いのが特徴で、しかも今年は感染力がことさら強いウイルスが主流となっているという。このウイルスは一方で発症しにくいとも言われる。つまり感染しても本人が知らないうちにウイルスを撒き散らしていることも考えられるわけだ。

海外では生ものを食べるべきではないと言われるが、今年は日本でも生ものを食べることに慎重にならなければいけない事態となっている。特に生カキは食べるべきではない。患者が多く発生していることで、大量のウイルスが海洋に流れていることが予想される。トイレから流された排泄物は下水処理場で浄化されるものの、ノロウイルスは除去されることなく素通りする。

カキの養殖業者もかなり神経質になっており、無菌処理を慎重に行なっているところも多いが、残念ながら完全とはいえない。今に限ったことではないが、保健所によっては、管内の飲食店に対して生カキを供しないように指導しているところもあるという。元々生カキはノロウイルスの感染リスクが最も大きな食品であることは間違いない。

さて、この時期を海外リゾートで過ごす人も多いだろう。ノロウイルスに限らず食中毒を含む感染性胃腸炎のリスクは特に熱帯地方では非常に高い。生ものを避けていても、水割りの氷でやられた人もいる。果物でもカットして売っているものも危険だ。ただし自分でカットして食べるのであれば、果物は安全度が高い食品といえる。

デング熱やマラリアにも注意が必要だろう。リゾートホテルでは蚊に対する対策が講じられているところが多いが周辺の村落部にも蚊がいないとは限らないので、特に夜間の外出に際しては蚊に刺されないように十分に注意したい。旅行後も発熱など体調を壊すことがあれば、医師には旅行後であることを伝えることが大切だ。何も伝えなくてマラリア治療が手遅れになることも珍しいことではないが、マラリアであることが診断できれば、治療は比較的易しい。

旅行に際しての注意は、

 1、無理な計画で体力を落とさないこと。(十分な睡眠が大切)
 2、生ものには手を出さないこと。
 3、氷に注意!
 4、手洗いの励行。
 5、当然のことながら水道水は飲まないこと。
 6、虫に刺されないようにすること。
 7、淡水の川や湖では泳がないこと。(寄生虫の皮膚からの侵入予防)
 8、急な日焼けを避けること。(背中の皮がすべて剥けてしまい救急車で運ばれた若い女性もいる)日焼けは火傷だという認識を持つこと。

無理をせず、最低限の注意をして楽しい休暇を過ごして欲しい。