大腸がん死亡率、検診で7割低下
報道によると、大腸がん検診を受けた人は、受けなかった人より大腸がんによる死亡率が約70%も低くなるという調査結果を、厚生労働省の研究班がまとめ発表した。
この研究は、岩手、秋田、長野、沖縄の4県に住む40~59歳の男女約4万人を対象にしたもので、90年時点で過去1年間に大腸がん検診の「便潜血検査」を受けたかどうかを聞いた上で、2003年まで13年間追跡したものだ。この間、大腸がんで死亡していたのは132人で、死亡率は検診を受けていなかった人を1とすると、受けていた人の場合0.28にとどまった。
一般的な大腸がん検診は便潜血検査だ。がん組織が便の通過で刺激を受けたりすると出血して便に血液が混じる。便を化学的に検査してその有無を調べるのが便潜血検査であるが、この意味については過去に何度か議論されている。今回は有効性があるとの結論であるが、必ずしも肯定的な意見ばかりではない。ただし痛みを伴わない非侵襲的検査であるため、受診者に負担が少ないことや検査の危険性がないことが大きな利点であることは確かで、実効性がある検査といえよう。
大腸がんは食生活の欧米化を反映して男女ともに増え続けている。
上記の調査では100人中一人以上が大腸がんになり、将来罹患する可能性も決して低いとはいえないがんだ。
食生活が発症に大きく関係していることから、予防の重要性が理解できるが、大腸がんの進行は他にがんに比べて極めて遅いことから、早期発見できるチャンスが大きいことも確かだ。
毎年受診する健康診断では面倒くさがらないで便を提出して潜血検査を受けるべきだ。そして40歳を過ぎたら大腸内視鏡検査を一度は受診してみて欲しい。何もなければ5~7年に一度受ければ早期大腸がんの発見が期待できる。もちろんポリープがあったり、大腸に何らかの所見がある場合は、その間隔を短くする必要があるが、安心感は大きい。費用はかかるがメリットが大きな検査といえる。
早期大腸がんは治癒率が非常に高い。
ぜひ検査を受けて、自分自身のリスクを知っておきたい。
食生活の改善で予防することも、とても大切だ。
「肉は少なく野菜を多く」が基本であるが、これだけではない。脂分の摂取を控えることと適度な運動を継続することでリスクが低下することもわかっている。飲酒は少なめ、禁煙はもちろんのことだ。
増え続ける大腸がんに歯止めをかけるのは、医学の進歩よりも個人の役割が大きい。大腸がん予防に限らないが、食生活習慣等を点検する意味は決して小さなものではない。